毎年親族や親しい人、会社の上司等に一年の感謝の気持ちを込めて贈るお歳暮。
送った人に失礼にならないようにしっかりとマナーをわきまえて送りたいものです。
今回はお歳暮を贈る時期や気をつけたいマナーを紹介します。
1.そもそもお歳暮とは
お歳暮とは、元々は年の暮れを表す言葉でした。
毎年年末になると、その一年間お世話になった方々に贈り物をする、という習慣ができ、その贈る品のことを「御歳暮」と呼ぶようになったのが、
現代のお歳暮の習慣の始まりです。
2.お歳暮を贈る時期について
お歳暮を贈る時期としては、大体が12月上旬から12月20日くらいまでとされていますが、これは地域によっても違いがあります。
もしお歳暮を贈る時期が遅くなってしまった場合は、のしの表書きを替えるようにするのがマナーです。
12月20日あたりを過ぎた頃から年末くらいの間でしたら、「寒中お見舞い」や「寒中お伺」などとします。
3.お歳暮を贈る時のマナーについて
本来は、お歳暮を持参して手渡すのがマナーでですが、現代では、デパート等で購入してそこで配送の手続きをする方々も多いです。
持参しない場合は、品が届く前に、「送り状」を郵送するようにします。
送り状には、日頃お世話になっているお礼やお歳暮を贈った、という事などを書くようにします。
持参する場合は、風呂敷に包んで持っていくのが正式なマナーです。
現代では、デパート等の紙袋に入れて持参する人もいます。
持参する時間は、早朝や食事時などは避けるようにします。
そして、突然伺うことはせず、必ず伺いたい旨を伝える電話をします。
急に伺う場合でも、「これから伺いたいのですが」と一報入れます。
お歳暮を渡すときは、品物を風呂敷から取り出し、のしの字が先方に見えるように品物の向きをあらためて渡すようにします。
4.お歳暮の送り先について
お歳暮は、必ず贈らなければいけない、というものではありません。
日頃お世話になっている方や上司、結婚している場合は仲人をしてくれた人や、両家の両親などに贈ります。
お世話になっているとはいえ、お子さんの学校の先生には贈りません。
また、勤め先によっては、お歳暮の習慣を禁止しているところもあります。
5.お歳暮ののしの書き方について
水引は、紅白の蝶結びのものを選びます。
上段には「お歳暮」や「御歳暮」と書き、下段には贈る側の名前を書きます。
お礼の品という体裁にしたい場合は、上段を「御礼」や「お礼」にしも構いません。
6.喪中の方へのお歳暮について
贈りたい方が喪中の場合は、お歳暮は日頃の感謝を表すというものなので、贈り先や贈り手側、どちらが喪中であっても贈って問題はありません。
しかし、初七日が終わらないうちや法事の日に持参するようなことはしないようにします。
外のしとして、紅白の水引を用いずに短冊のしなどのシンプルなものにする心遣いをするというのも一つの方法です。
また、御不幸があってからまだ間もない場合は、時期をずらして「寒中お見舞い」としても大丈夫です。
年末年始のおめでたい時期は避けるようにします。
7.お歳暮の品物の選び方について
お歳暮の品を選ぶときは、相手が喜ぶと思われるものを選ぶようにします。
お子様がいる家庭には、大人でも子供でも食べられる品を選ぶようにしたり、お酒が好きな方には、お酒やお酒の肴となるような品物を選ぶようにします。
また、季節に合ったもの、冬に美味しい時期を迎えるカニや牡蠣、鍋の材料なども適しています。
それから、贈り手の住んでいる地域の特産物を贈るのも一つの方法です。
相手側の家族構成や好みがわからない場合は、無難で保存がきくもの、例えば調味料や洗剤といったものを選びます。
好みがわからない方には、嗜好が分かれるような物、例えば珍味のようなものは避けます。
また、絵画やインテリアも、好みが分かれますし、場所も取るものなので、避けます。
また、相手が自由に使える商品券を贈る方も増えています。
8.お歳暮を郵送する場合で送り状を送らないときについて
お歳暮を持参せずに郵送するけれども送り状も送らないという場合は、品物を買いに行くときに、
メッセージカード等に贈り状のかわりとなるようなメッセージを書いたものを持参して、品物と一緒に同封してもらうようにするのも、
相手に心遣いが伝わるので、良い方法の一つです。
このように、お歳暮を贈る際のマナーは色々とあります。
お歳暮を頂いても、基本的にはお返しをする必要はありません。
しかし、御礼状を出すのがマナーです。
もし親しい間柄の人からの場合は、すぐに電話でお礼を述べても構いませんが、正式なマナーとしては、御礼状を出します。
宅配で届いた場合は、できるだけ早く御礼状を出すようにします。
御主人宛にお歳暮が届き、奥さまが代わりにお礼状を出す場合は、ご主人の名前の横に「内」と書くようにします。
以前に比べればお歳暮を贈る、という習慣自体が減ってきてはいますが、贈る場合は、失礼のないようにマナーを守り、
もらった相手が気持よく受け取れるように心がけましょう。