桜餅の道明寺と長明寺の違いは関東と関西の差!正しい食べ方とは?

桜の葉のなんともいえない香りと薄桃色と深緑色の葉のコントラストが美しい桜餅。

満開の桜を思わせる風流な和菓子です。

その桜餅にも、二種類あるのをご存知でしょうか?

関西風と関東風ではそれぞれ道明寺と長明寺と呼ばれ、同じ桜餅でも似て非なるものです。

その違いと食べ方をご紹介します。

1.道明寺の桜餅

道明寺の桜餅は上方風とも呼ばれ、関西風の桜餅です。

もち米を蒸して乾燥させて挽いた道明寺粉で餅を作り餡を丸く包んだお饅頭を塩漬けの桜の葉で包んだものです。

名前の由来にもなっている道明寺粉ですが、大阪・藤井寺にある道明寺が由来です。

道明寺では、戦国時代に神前にささげていたもち米を乾燥させて砕いて、僧侶が保存食として糧を作っていました。

この糧が道明寺と呼ばれ、これを荒く砕いたものが道明寺粉です。

この道明寺粉を使って作られた桜餅を道明寺と呼ぶようになりました。

つぶつぶの食感が特徴の餅で餡を丸く包んで饅頭の形にします。

餅を包んでいる桜の葉は小さめです。

関西では桜餅はあくまでも桜餅で、わざわざ「道明寺」とは呼びません。

2.長明寺の桜餅

江戸風とも呼ばれる関東風の桜餅が長明寺(ちょうめいじ)で、こちらが桜餅の元祖です。

小麦粉をクレープのように薄く焼いたもので餡ををくるりと巻き、それをさらに大きめの塩漬けの桜の葉でくるんでいます。

将軍徳川吉宗の命で当時隅田堤にたくさんの桜の木が植えられていたのですが、向島の隅田川沿いにある長明寺の門番であった山本新六が、

土手に大量に振り落ちる桜の葉に悩み、何かに利用できないかと考えて桜餅を思いついたのだそうです。

それを長明寺の門前で売り始め、多くの花見客に人気だったようです。

その後山本新六は、長明寺の老舗「山本や」を創業しました。

3.葉は外す?

どちらの桜餅も桜の葉でくるんでありますが、食べるときに葉を外すか一緒に食べるかが意見の分かれるところです。

桜餅にはオオシマザクラという主に伊豆地方で生産される毛が少なくて柔らかい葉が使われることが多いようで葉も食べやすいのですが、

あまり大量に食べないほうが良いようです。

桜餅の独特の香りは、葉を塩漬けにすることによって発生するクマリンという芳香成分に由来します。

このクマリンには抗菌性や抗酸化性もあり桜餅には欠かせないのですが、肝毒性があるためです。

ただし少量であれば問題ありません。

関東風の長明寺は、葉と皮がしっかりくっついていることが多く外しにくいこともあって葉も一緒に食べる方が多いようです。

葉の塩味と餡の甘さを一緒に楽しむのもいいですし、葉は外してお餅にうつった桜葉の香りを楽しむ方のもいいですね。

この葉を外すか否かで、こんな落語の小噺があります。

とある人が隅田川の川辺で桜餅を皮(葉)ごと食べているのを見て、隣の人が「旦那、皮(葉)をむいて食べたほうがいいですよ」と言ったそうです。

その人は「なるほど、そうですな」と目の前の川の方を向いて食べたそうです。

桜の咲き誇る中、目の前の隅田川の流れを眺めながら食べる桜餅はさぞおいしかったでしょう。

葉を取る取らないにかかわらず、風情を感じながらおいしく食べれば良いのです。

ちなみにお茶席では、葉は折り返して桜餅の下に敷いて、黒文字で桜餅を一口大に切っていただくのが一般的なマナーです。

洋菓子は修道院から生まれたものも多いですが、和菓子の桜餅がどちらも寺が発祥というのがおもしろいですね。

修道院や寺は祭事が多く、その際にお菓子が必ず登場することからお菓子の発祥となることが多いようです。

桜の季節にぴったりの食べてもおいしく見目麗しい風流な桜餅。

今年のひな祭りやお花見の時期に歴史に思いを馳せながら桜餅を味わってみてはいかがでしょう。