夫婦関係が修復不可能な状態になってしまったら、最後は離婚の道をたどってしまう事も仕方の無いことです。
しかし、2人の間に子供がいた場合、この離婚によって子供に与える影響は大きいものです。
今回は親の離婚が子供に与える影響についてご紹介します。
1.消極的で自己否定しがちになる
子供にとって、家族というのはとてつもなく大きな存在であり、その家族がある日突然いなくなるという状況は子供の想像の範囲を超えています。
まだ物心つかない小さな子供であれば両親が離婚をしたとしても月日がたつに連れてその時の感情や記憶というものは薄れていくものでしょう。
しかしながら、ある程度物心ついて状況判断が出来るくらいになってくると、両親が離婚したという事実については分からなくても家族がいなくなってしまった、それまでの家族の形が一瞬で崩れてしまったという事はしっかりと理解が出来ます。
そして、理解した上で「両親が離婚したのは自分のせいかも知れない」といった考えに至ります。
なぜなら子供である自分だけが、両親の離婚に際して何の行動も起こしておらず何一つ阻止したりすることなく無抵抗のまま離婚成立してしまっているからです。
親が決めた離婚の結果だけを知らされて、その状況を受け入れろというのは子供にとっては酷な話です。
子供は自分のせいで両親は離れてしまったのだと罪悪感を感じてしまい、自分を否定するようになります。
離婚して、親はスッキリするでしょうが子供にとってはそこからいばらの道がスターとすると言っても過言ではないのです。
2.親しい友達を作らなくなる
両親が離婚をする事によって、それまで住んでいた土地をはなれてどこか遠いところへ引越したり、それまでとは違った名前で生活するようになる子供も少なくありません。
引越しをして新しい生活を始めるという事は子供にとっては大きなストレスであり、それまで仲良くしていた友達とも引越しをきっかけに会えなくなってしまいます。
また、離婚が原因の引越しというのは親の仕事の都合による引越しなどとは違い、あまり引越しの理由を周りに告げる間もなく行われる事が多いです。
もしくは子供の学年が上がるタイミングや、進学のタイミングなどで行われる事が多く気がついたら知らない土地に行っていた、といった感覚を覚える事でしょう。
それまで仲良くしていた友達と会えなくなるばかりか、新しい学校で1から友達を作らなければいけないという事は子供にとってはとても重荷となる事です。
何も知らない同級生たちは悪気なく、掘り葉掘り自分の事について聞いてくるわけですから事情を知られたくない子供にとっては辛い時間となるでしょう。
自分の事を聞かれるのも避けたいし、せっかく出来た友達ともいつ離れ離れになるとも限らないと考えた子供は、新しい友達を作ること自体を放棄してしまう事となります。
3.大人の顔色を伺って行動するようになる
夫婦仲が悪くなると家の中の雰囲気もやはり淀んだ感じになってしまいますよね。
いくら子供の前でケンカしたり不仲な様子を見せないようにしようと心がけていたとしても、子供というのは両親の異変や心の変化を敏感に察知しますから笑顔で過ごしていたとしても「何かが違うな」と直感的に感じ取ります。
自分の前で見せている表情と、両親がお互いの前で見せている表情とを比べた時に明らかに両親がお互いの前で見せている表情が怪訝そうでくぐもっている場合、子供は両親の機嫌をとろうとしてわざと突拍子のない事を叫んだり、おどけた会話をしたりして少しでも両親の気を引こうとします。
そうやって自分が何か変化を起こすことで、2人の仲が少しでも改善されないだろうかと試みているのです。
しかしながら結果的に両親が離婚をしてしまうと、自分が何も出来なかったからこうなってしまったのかも知れない、と子供は罪悪感を感じてしまいます。
そして、そんな失敗を2度とおこさない様に、自分の元にいてくれる親の顔色を常に伺って、大人の顔色を伺って行動するようになります。
円満離婚という離婚
芸能人の夫婦が離婚をした時に、よく会見の席で「円満離婚」を強調する事が有りますよね。
本当に円満ならば離婚以外の道を模索する事もできたかもしれませんし、結局のところ円満に解決しなかったから離婚に至ってしまったわけです。
子供にとって、例え両親が「自分たちの離婚は円満離婚だ」と思っていたとしても、そんな事は関係ありません。
どちらかの親が自分の元からいなくなる、これまでの生活と全く違う生活がスタートする、知らない土地や新しい名前での生活が否応なくはじまってしまう、という現実だけが子供にとって離婚の真実であり、その影響は計り知れないものとなるに違いないのです。