どこからともなく湧いて出て、心をかき乱すコバエ。
目の前を飛び交って鬱陶しいばかりか調理したものに群がったりして不衛生です。
時には料理の中に捨て身のダイブをかまし、そのままお亡くなりになるケースもあり気が抜けません。
春夏秋冬季節を問わず、気を抜くとなぜか1匹、また1匹とその数を増やしていく彼ら。
小さい上に俊敏で、なかなかその姿を捕らえるのは難しいコバエと戦うにはどうしたらいいのでしょう。
どんな対策や作戦が有効なのかご紹介します。
1.そもそもどこからくるの?
姿形様々なコバエがいますが、代表的な台所にいる小さな小さなコバエはショウジョウバエやノミバエという種類のハエになります。
また、羽が丸く、とまっている姿はちょっとかわいいハート型にみえるチョウバエと呼ばれるハエは、排水溝から上がってきたりします。
こいつらは窓を開けた時や換気扇などからゆうゆうと室内に侵入してきます。
その小さな体が入る隙間があればどこでも侵入可能。
黒っぽい体色で細長いコバエはキノコバエといい、こいつは観葉植物などの土に産卵したりするので、
お店から素敵な観葉植物とともにキノコバエも連れてきているかもしれません。
とにかく様々な侵入ルートから、静かに、そして確実に室内に侵入してきます。
2.コバエが好きな場所は
そうして侵入してきたコバエ達は、自分たちの楽園を作るべく、繁殖場所をさがします。
ショウジョウバエ、ノミバエは、好物である残飯などがたくさんある台所をベースに繁殖活動を開始します。
腐ったものが大好きなので、生ゴミのはいったゴミ箱なんかは要注意。
特に部屋の中が高温多湿になる梅雨時などは大量発生の危険度がマックスです。
また、常温で保存してある野菜なども危険です。
核家族化が進んだ現代日本では、スーパーで買った野菜もなかなか食べきれず、長いこと置いてしまうこともしばしば。
いざ使う時が来て手に取ると、置いておいた野菜の下の方がグズグズに腐っていた。
なんてことはありませんか?腐っていただけなら不幸中の幸いです。
最悪の場合、取ろうと手を伸ばした瞬間、まるで煙のようにショウジョウバエの群れがブワーっと舞い上がるなんて場合もあります。
そもそも最初から野菜自体に卵が産みつけられていたなんて場合だってあります。
体のためを思って買った新鮮無農薬泥付き野菜を放置していたら大量発生。
なんて場合、ついていた泥に卵があった可能性が高いです。
キノコバエは、観葉植物の養分が大好きですが、お子様が大好きなカブトムシやクワガタのケースも大好きです。
採取した際についてきた場合もありますし、どこからともなく侵入して、気づくとカブトムシと一緒にゼリーをお召し上がりになっていたりします。
チョウバエは湿気の多い場所が大好きで、お風呂場で垢やヘドロをむさぼって生活します。
3.素晴らしいまでの繁殖能力
気づいたらコバエが1匹…まいっか、1匹くらい。
ちょっと待ってください。
繁殖は既に始まっています。
侵入したコバエがメスだった場合、既に卵を抱えた状態でしたらすぐにでも産卵オッケー状態です。
コバエの平均寿命は約1ヶ月、その間に500個以上の卵を産むと言われています。
卵から孵った幼虫はなんと14日で繁殖可能な状態になります。
成熟した成虫は、子供同士でも親同士でも見境なく繁殖活動を繰り返し、まるで分身の術のようにスピーディーに大量増殖します。
この世の春とばかりに、人の部屋で交尾をしながら優雅に飛ぶ姿を見ることもできます。
実に忌々しい限りです。
4.繁殖予防
上記のように少しでも快適だと思う場所があれば瞬く間に大繁殖するコバエ。
奴らの増殖を防ぐためには根絶やしにすることが不可欠です。
生活する上で毎日必ず出る生ゴミは、フタ付きのゴミ箱に捨てるようにしましょう。
その際にそのまま捨てるのではなく、ビニールの袋などで密閉して、入ってくる隙間、出て行く隙間を完全になくします。
そして少量でもゴミの日に必ず捨てるようにします。
これはコバエ対策以外にも、室内のニオイ対策にも有効です。
排水溝もこまめにゴミやヌメリを取るようにします。
あまりやりたくない掃除場所の上位に君臨する排水溝ですが、パイプのヌメリ取り剤や、ハイターなど流し込むだけで、
中をキレイにしてくれる商品もあるので常備しておくといいでしょう。
最悪排水溝でコバエが繁殖していた。
なんて時にもこちらの商品は大活躍します。
繁殖した排水溝にこれらをぶちまければ、駆逐できます。
ついでに排水溝のヌメリやニオイもさっぱり。
キッチンのシンクの三角コーナーや排水溝の手前にある食べかすを受け止めるカゴはこまめにブラシなどで清潔にしましょう。
台所にはあまり強い洗剤を使いたくないな…なんて時は熱湯も有効です。
掃除し終わったら、仕上げにシンクに熱湯をぶっかけ、排水溝にも注ぎ込んでください。
除菌もできて、ヌメリも軽減され、奥底にコバエやコバエの卵があったとしても死滅させることができます。
コバエの繁殖を防ぐ手段は、とにかく不衛生な状態を作らない。
これに尽きます。
5.それでも繁殖してしまったら
まず原因と思われるものを徹底的に排除するのはもちろんなのですが、すでに繁殖してしまった奴らを野放しにすれば、部屋のどこかで更に繁殖します。
殲滅しましょう。
その際、市販のコバエ取りは効果的です。
大量発生した場合は数カ所に置くことが極めて有効ですが、コストもかかりますので、お手製コバエ取りを作ってもいいと思います。
市販のコバエ取りは大変コバエの特性を生かした素晴らしい商品です。
大好きなニオイで誘導し、めくるめく幸福な気持ちに包まれたままコバエは薬剤の餌食となる仕組みのわけですがこのコバエ取り、
ニオイを嗅いだことはありますでしょうか。
まあ臭いです。
お酢のような、タマネギのような、酒のような…そんなツンとくる強いニオイが奏でるハーモニーはいかにもコバエが好きそうな強烈な香りです。
ということは、こんな香りを作り出すことができれば、すばしっこい奴らをおびき寄せることが可能というわけです。
オススメはお酢、ワインやビールなどのアルコール飲料(飲み残しを活用するとエコ)そしてなんと意外なところで
麺つゆというのもかなりの効果があります。
これらを浅めの容器に入れてだいたい3倍くらいの水で希釈します。
これだけですと、わざわざ単にコバエが大好きな香りを作って差し上げただけになります。
重要なのはここからそこに食器用洗剤を数滴たらします。
界面活性剤が入ってたらなんの種類でもいいです。
これで完成。
ニオイにつられてやってきたコバエ達はこの特製スープに群がりますが、ブレンドされた界面活性剤のせいで、
体の表面の水をはじくための油を取られ、沈んで溺死する。
という仕組みです。
ローコストなのでじゃんじゃん作れます。
市販のコバエ取りも、このお手製ホイホイも面白いほどよくとれますので、心強い味方になってくれるでしょう。
最後にどんなに気をつけていても、清潔にしていても、どこからともなく入ってくるコバエ。
キレイにしていたのにどうして?などと落胆しないでください。
この世界に生きる上で、彼らとの戦いはある程度仕方のないこととして割り切りましょう。
そして毅然とした態度で挑んでいきましょう。
放置はダメ、ぜったい。
これだけは肝に銘じておきましょうね。