いよいよ赤ちゃんが産まれてくるという時に起こる痛みを陣痛(本陣痛)と言いますが、
その前に起こる前駆陣痛というものがあることをご存知ですか?
実はこの前駆陣痛、出産間近でソワソワしている妊婦さんを更にヤキモキさせる、ちょっと厄介なものなんです。
では、前駆陣痛とはどんなものでいつ頃から現れる症状なのかご紹介します。
1.前駆陣痛とは?
前駆陣痛とは、出産前に起こる子宮の不規則な収縮のことを言います。
本当の陣痛は、まずは15〜20分起きの収縮から始まり、その後も規則的に続く収縮が10分間隔、5分間隔と徐々に短くなっていきます。
しかし前駆陣痛はまだ出産には至らないため、痛みや間隔は不規則で次第に治まっていきます。
本陣痛から出産へと体を慣らしていく過程で起こる子宮の痛みなので、陣痛の予行演習だと思って下さい。
しかし、この前駆陣痛には当然個人差があり、全くない人もいれば毎日のように起こる人もいます。
特に初産の場合は、本陣痛がどのようなものなのかも分からないため、前駆陣痛なのか本陣痛なのかと悩ませられ悶々とした毎日を送ることになります。
陣痛だと思って病院に行ったら、実際は前駆陣痛で家に帰されたという話も珍しくありません。
2.前駆陣痛はいつから始まるの?
個人差はありますが、一般的には妊娠36週から40週未満の臨月の時期に始まることが多いようです。
前駆陣痛が来たからといってすぐに赤ちゃんが産まれるわけではないので、特に慌てる必要はありません。
臨月に入る前のかなり早い段階からお腹の張りを頻繁に感じる人もおり、そういった場合は心身ともに休まらない日々を過ごす事になりますが、
中にはお産の前日になって前駆陣痛が来たという人もいるのでやはり油断は出来ませんね。
3.前駆陣痛の症状、痛みや間隔は?
先ほども説明しましたが前駆陣痛は不規則な子宮の収縮です。
突然お腹が張り出したので慌てて間隔を計っていたら、いつの間にか遠のいてたといった具合に、誰にも予想がつきません。
不思議と夜遅い時間から始まるので、気になってなかなか寝付けず睡眠不足になってしまう妊婦さんも多いはずです。
お腹の張りは強く感じるものの、本陣痛に比べると痛みは強いものではありません。
本陣痛の場合は、お腹の張りが痛みに変わり、痛みがどんどん強くなり立っていられなくなります。
一方、前駆陣痛の場合は痛みの強さが大きくなることがありません。
前駆陣痛の長さや痛みと本陣痛のそれとは全く関係ないので、前駆陣痛に悩まされたからといって心配する必要はありません。
4.本陣痛が来る兆候
お産の兆候は前駆陣痛だけではありません。
前駆陣痛が来ても慌てないために、以下のようなお産の兆候を理解しておきましょう。
まず、赤ちゃんの位置が胎盤の方へ下がるため、今までつかえていたように感じていた胃が急に楽になります。
そのため食欲も一気に戻ってくるため、お産間近になって体重増加を指摘されたという妊婦さんも多いようです。
また、赤ちゃんが胎盤に下がることで体も固定されるため、胎動が鈍く感じる事もあると言われています。
その他の兆候としては、お腹が緩くなる、腰痛がひどくなる、恥骨が痛くなるなどがあげられます。
5.判断が付かない時の受診の目安は?
前駆陣痛なのあ本陣痛なのか判断が付かず不安な時は、以下のような症状があるかどうかを目安にしてみて下さい。
時間が経ってもお腹の張りや痛みの間隔が治まらない時は、本陣痛の可能性もあるので注意して下さい。
痛みの間隔をきちんと計って様子をみましょう。
また、一定の間隔で治まることのない痛みを伴ったり、お腹がカチカチに固い時は何らかの異常がある可能性があります。
躊躇せずに早めに病院を受診して下さい。
おしるしといって、臨月に入って鮮血の出血があった場合は短時間のうちにお産に繋がるケースがほとんどです。
おしるしではなくても妊娠中の出血は心配なものが多いので、痛みの間隔が不規則だったとしても病院を受診するようにしましょう。
陣痛が来る前に破水をする人も多いのですが、破水をしてしまうと子宮に細菌が入りやすくなり感染症を起こす可能性があります。
自己判断は危険ですので、規則的な痛みが来ていなくても破水をしたらすぐに病院へ行くようにして下さい。
医学的にも、どうして前駆陣痛が起こるのかという事は分かっていません。
個人差が大きく誰にも予測が付かない分、不安や緊張も大きいですよね。
前駆陣痛が長ければ長いほど、体力的にも精神的にも辛い日々を過ごす事になるかもしれません。
でも、赤ちゃんはお母さんの体から出てくる瞬間を決めていると言われます。
赤ちゃんが出たい時、そのタイミングでお母さんにきちんと教えてくれるはずです。
不安や期待で戸惑った分だけ、出産した時の喜びも大きいはず。
臨月に入ったら準備だけはきちんとして、後は赤ちゃんと自分の体を信じてリラックスして過ごして下さい。