子供が登校拒否になってしまった場合、両親は子供に一体何があったんだろう、という思いと同時に、どうすれば良いのか?と悩むことは多いと思います。
出来たら子供に負担が掛からないように問題を解決したいのが親心でしょう。
今回は、そんな時に有効な様々な対処法について、ご紹介します。
1.いじめにあっている場合
子供が登校拒否になる一番の原因は、いじめの場合が一番多いです。
思春期における中での子供にとって、世界は学校一色で、その他の世界はまだ知りませんから、封鎖的な中にいる子供の気持ちを全て知ることは大変難しいものです。
それでは一体、こういったいじめの場合は、親は子供に対してどのような対処をしたらいいのでしょうか。
2.環境を変えてあげる
子供が、もしいじめに合っていた場合、当たり前ですが子供は学校が嫌で、苦痛で仕方ないという気持ちでいますから、環境を変えてあげることで、本人は学校に行きやすくなる場合は結構あります。
例えば、隣の学区にある学校に編入させることも、子供にとっては有効な方法と言えます。
これをすることで、子供も、「もう嫌なクラスメイトに合わなくて済むんだ」という安心感や、次に決まった学校に行くには不安はあるけれど、
もしかしたら心機一転仲良くなれる友達が出来るかも知れないという気持ちもわいてくる場合があります。
子供は、本当はクラスメイトと仲良くしたい、皆んなのように楽しい学校生活を送りたいと根底では思っている場合がありますので、親が率先して、学区の違う学校に編入させるのは有効な対処法と言えると思います。
では次に、隣の学区であろうと学校には行きたくないと思っている場合についてご説明します。
3.隣町の学区でも拒否する場合
この場合、子供は、いじめに合ったショックが強い為、「編入してもまた同じようにいじめに合う」と、かなり人間不信になっています。
こんな精神状態の中にいる子供を無理矢理編入させても、本人が強い拒否反応を示してきますので、意味はないでしょう。
そんな時は、無理に学校に通わせなくても良いです。
勿論、親の立場からしてみれば、明るく学校に行って欲しいという気持ちは分かります。
ですが、大切なのは子供の現在の精神面です。
この精神面の状態を無視して、無理に通わせることによって、返って子供の精神状態を悪くさせてしまっては身も蓋もありませんので、ゆっくり休ませてあげることが大切です。
子供の心は非常に繊細なので、親が見守ってあげて、子供の心を休ませてあげることにより、本人が、やっぱり学校に行きたいという気持ちを持ち始めることが大事です。
ゆっくり時間をかけて見守ってあげましょう。
4.定時制の学校に通わせてみる
本人が、高校生の場合に登校拒否になってしまった場合も多々あります。
この場合、定時制の学校に通わせてみるのも一つの対処法です。
定時制に通う生徒の事情は、人それぞれですが、やはり、いじめに合ったから通常の高校には行きたくないとの理由から、定時制に通っている生徒も多いです。
通常の高校には通わずに定時制ということは、通う生徒には何らかの事情があって通っているのは確かです。
特殊な事情を抱えているとも言えます。
そんな様々な生徒と接していると、子供も、「色んな人がいるんだな」と、自分がこれまで体験した理由を分かってくれる生徒も多少なりともいるでしょうから、そんな様々な生徒と触れ合うことも、良いかと思います。
また、人間不信に陥った子供は、なるべく人と関わりたくない、という気持ちを強く持っており、その様な事情を抱えた生徒も多数います。あえて無理に仲良くしなくても、通うことに意味がありますから、定時制は通いやすいと言えます。
5.根堀り理由を聞かない
普段から親子関係が良好な場合、誰にいじめられていたのか?を聞くことは出来る場合もありますが、思春期の子供は、親子関係が良好であったとしても、自分がいじめに合っている事実は隠す傾向にあります。
これは、親に心配を掛けさせたくないという気持ちや、話たところで、いじめは続くといった自身の考えや、もし話せば、またいじめが酷くなる、もしくは、担任の教師に伝わったところで、解決なんてしてもらえないといった様々な子供の気持ちが隠れています。
それほど子供の心とは私達が考える以上に繊細です。
親にいじめが知れるのは、恥ずかしいと思っている場合もあります。
そんな時は、無理に根掘り葉掘り事情を聞くことは、逆効果な場合があるので、駄まって本人に時間を与えて休ませてあげるという方法は、3.でも述べましたが、親が見守っている気持ちを伝えてあげることを手紙に書いて渡しておくなりして、いつでも何があっても、味方であるから、と伝えておいた上で、そっと見守ってあげるのが良いかと思います。
6.本人が落ち着いてきた場合
ゆっくりと本人に時間を与えてあげることで、もしかしたら、本人なりに色々と考えたことを言ってくる場合もあります。
例えば、本人の夢の話、将来したい事の話が出てくるかも知れません。
そんな時は、じっくりと話を聞いてあげて下さい。
まだ本人が打ち明けてくる気持ちの状態ではない場合に、「何かしたいことはないの?」と聞いても、なかなか話してはくれません。
大切なのは、本人から話してきた場合ですから、きっと本人は、話す決意に至るまで、とても悩み、様々な葛藤があった上で親を信じて話してきます。
だからこそ、こちらは安易に口を挟まずに、本人が何を伝えようとしているのかを、じっくり時間をかけて聞いてあげて下さい。
その上で、本人の気持ちを認めてあげて、「話してくれてありがとう」と子供の気持ちに感謝するのも親の務めであると言えます。
まとめ
子供の心は非常に繊細で、どうにかしてあげたい親の気持ちからくる行動が、返って逆効果な結果を産んでしまうことも多々あります。
だからこそ、見守りながら様子を見続け、本人が安定するまで待ってあげることは大切です。
子供は子供なりに考えていますし、親が絶対的な味方であるということを伝え、その上で、解決策を考えて行くのが大切です。
これは、単に甘やかすとは違います。
もし、本人が非行に走りそうな場合は、全力で叱ることも大切です。
親が本気で叱ると、それが本気で自分を想ってこその叱りだということは伝わります。
特に甘やかされて育って、何でも聞いてくれるといった考えを持っている場合、親が本気で来たというだけで、子供の心は嬉しくなるはずです。
非常に難しい問題でありますが、焦らずに対応していきましょう。