赤ちゃんが発熱しやすい原因と対処法

発熱とは、平熱より体温が高い状態をいいます。



子どもの病気は進行が早い半面、回復も早いのが特徴です。



急に高熱を出し、翌日にはけろっとしていることも珍しくありません。



必要以上に心配せず、冷静に症状を観察出来るよう、赤ちゃんの発熱の原因と対処法についてご紹介します。

1.赤ちゃんは熱を出しやすい

新生児は感染防御力が弱いので、感染を起こしやすく、感染が起こると重症になりやすいです。



出生を境に自らの肺で酸素を摂取し、二酸化炭素を排出し、経口的に栄養をとり、体温の維持や尿や便の排泄をするなど、自らの能力で生活しなければならなくなります。



出生に伴う変化に適応出来ないと、いろいろな異常が生じることがあります。

2.体温の基礎知識

赤ちゃんの、発熱の目安は36.5〜37.5℃までを正常、それを超えると発熱とされます。



体温の分類は、平常温、高体温(微熱、中等熱など)に大きく分類され一般的に39.0℃以上を「高熱」、35.0℃以下を「低体温」といいます。



高体温で見られる症状発汗、口渇、悪寒、頻脈、全身倦怠感、食欲不振、意識障害、ショックなど。



低体温で見られる症状悪寒、頻脈、呼吸促迫、血圧低下、酸素消費量増加など。



検温法では脇の下に体温計を密着させて測定する脇窩温のほか直腸温、口内温、鼓膜温などの方法があります。

3.赤ちゃんの発熱時の対処

安静と保温が大切ですが、熱のあるときにあまり厚着はしないようにします。



食欲がないときでも水分の補給には留意します。



寒い季節なら部屋を暖かくし、空気が乾燥しないようにします。



しかし、部屋の換気も忘れないようにします。



ほこりも避けましょう。



特に乳児は発熱、食欲不振、下痢、嘔吐などを伴うことが多く、中耳炎を併発したり、気管支や肺炎など気道下部へ炎症がおよぶおそれが大きいので注意が必要です。



熱性けいれん、口内炎、皮膚の発疹などがみられることもあります。



いったん下がった熱がまた出たときは、合併症を考慮しましょう。



合併症がなければ数日間でよくなるのがふつうです。



症状がだんだんひどくなるようなら診察を受けた医師に相談すべきです。

4.突発性発疹症

生後6ヶ月から1年位の間に、ほとんどの乳児がかかる病気です。



生まれて初めての高熱はこの病気と言えるほどです。



突然高熱が出ますが、咳や鼻水などの風邪の症状が軽く、診察をしても熱に見合う所見が見つからないのが特徴といえます。



2〜3日で熱が下がったときに、全身にぱらぱらと淡いピンクの発疹が出て、診断がつきます。



ヒトヘルペス6型、あるいは7型が病原です。



治療は対処療法しかありません。



感染の仕方もわからず、予防法も不明です。

5.原因ウイルスと予防

ライノウイルスやRSウイルスなどは接触感染でも伝染するといわれますから、予防のために、流行期には手洗いが大切ですし、インフルエンザのように飛沫感染するものも多いはずですから、うがいをすることをも進められています。



お母さんのかぜが、赤ちゃんにうつるということもありますから手洗い、うがいは両親ともに気をつけましょう。



風邪の原因の多くはウイルスですが、インフルエンザウイルスやサイトメガロウイルス以外のウイルスに対しては特効薬がない現状では、体の抵抗力にたより、自然に治るのを助ける意味で種々の手当てをする対症療法以外に治療の方法はありません。



発熱や苦痛を取るために、熱鎮痛薬を、咳が強ければ鎮咳薬を使用します。



栄養上注意も大切です。



流行期には、人混みを避けるなどの配慮も必要でしょう。

6.発熱時は赤ちゃんの全身状態をチェックしよう

一般的に、症状を正確に伝えることが出来るのは3歳以降であるといわれています。



そのため3歳未満の小児の診断では全身状態のチェックには注意を要します。



発熱は、小児救急医療においてもっとも救急受診の多い疾患です。



ほとんどは上気道感染症のことが多いです。



3日前後で熱がひかない場合や高熱は要注意です。



生後3ヶ月未満の場合は化膿性髄膜炎を疑います。

7.発熱を伴う比較的軽症な症状

小児の急性疾患は、感染症によるものが多く、発熱を伴う比較的軽症なものが多いのが特徴といえます。



主なものとして、次の症状があげられます。



・発熱・咳、喘鳴・嘔吐、下痢・けいれん・誤飲、中毒・発疹症けいれんは、熱性けいれんと無熱性けいれんに大別されます。



熱性けいれんは、髄膜炎、脳炎、脳症が疑われます。



無熱性けいれんは、てんかん、頭蓋内の血管障害、脳腫瘍、低血糖、薬物中毒などが疑われます。

8.発熱時の入浴について

入浴は、かぜのひき始めの場合、少し様子をみてからにします。



高熱があるときにはやめるのが無難ですが、皮膚を清潔に保つことは大事です。



全身症状がなければ、汗をとるためのシャワーくらいはいいでしょう。



熱が下がり、鼻水、軽い咳が残っていても全身症状がよくなっていれば入浴もかまいません。



ミルクが飲めない、よだれを出す、息を吸うときに胸をへこませる、あごを上げてあえぐように息をするようなときには、急いで病院につれて行きましょう。