女性が感じることの多い残尿感は、トイレで用を足して終わりのはずが、まだ何となく残っている感じがすることを言います。
実際にはただ感じているだけで残っていないことがほとんどですが、その不安から何度もトイレに行ってしまうなど、生活に支障をきたしてしまいます。
それに残尿感はとっても不快ですよね。
女性が残尿感を感じる理由には、女性特有の病気などが原因のことがほとんどです。
では、その病気にはどのようなものがあり、どう対処すれば良いのかご紹介します。
1.膀胱炎
残尿感の原因で一番考えられるのが膀胱炎で、女性に多い病気の一つです。
大腸菌などの細菌が膀胱に入り込み、繁殖してしまうこで起こります。
男性よりも女性の方が発症しやすい理由は、尿道付近の構造の違いにあります。
女性の尿道は男性のものよりも短く、しかも入り口は細菌が多く生息している肛門付近に位置しています。
そのため、細菌が膀胱内に入ってきやすいのです。
最初は、残尿感よりもトイレの回数が増える頻尿から始まり、排尿後に痛みを感じたりもします。
そして排尿後も残尿感を感じたり、症状が悪化すると血尿が出てしまうこともあるので要注意です。
我慢して放ったままにしていると、高熱が出たり他の部位まで炎症を起こしてしまうこともあるので、異変に気づいたら早めに病院に行きましょう。
膀胱炎は冷えやストレスが原因でも発症すると言われています。
夏場などは冷房に当たっている時間も多い上、暑さから脱水にもなりすい時期です。
体温が下がり、体の中も細菌が繁殖しやすい環境になるので注意してください。
膀胱炎の予防としては、トイレで用を足した際は前から後ろに向かってふくことや、尿道付近を清潔に保つこと、そしてトイレを我慢し過ぎない、
冷えやストレスを改善するなどがあげられます。
2.骨盤性器脱
これは女性のみに起こる病気です。
特に更年期前後の女性に多いのが特徴で、年齢と共に体の機能や骨が弱まり、骨盤や膀胱を支えられなくなることが原因と言われています。
膀胱が下がってしまうことによって残尿感を感じるようになるのです。
自分では気づきにくい病気ですが、症状が悪化すると手術が必要になる場合もあります。
残尿感を頻繁に感じるようなら、早めに病院に行くようにしましょう。
骨盤性器脱の予防としては、骨盤付近の筋肉(骨盤底筋など)や下半身を中心に体を鍛えることが一番ですが、
あまり負荷がかかりすぎると逆効果になるので、無理のない程度に、ヨガやストレッチなどがオススメです。
また、年齢とともに骨はもろくなるので、若いうちから積極的にカルシウムを摂取することも大切です。
また、骨は歩いたり走ったりと足を使うことで強くなるので、普段から歩く習慣を身に付けると良いでしょう。
3.産後に感じる残尿感や頻尿
産後は骨盤底筋がゆるむ事がおおく、膀胱を支える力が弱くなるため頻尿や残尿感に悩まされる女性が多いものです。
また、産後は抵抗力や免疫力も低下しているため、細菌感染が原因で膀胱炎にもかかりやすくなっているので十分に注意しましょう。
産後1年も経てば自然に改善されるものですが、中には悪化して長引いてしまったり閉経頃になって、
たまった無理の影響が出てくることもあるので、油断せずにきちんとケアするようにしましょう。
特に出産を多く経験した女性は注意が必要です。
骨盤底筋を鍛える体操は産後すぐから出来るものから、長く毎日続けられるものまでたくさんあるので、本やネットで調べて実践してみて下さい。
続けることで更年期頃の子宮や膀胱の不調を抑えることが出来ます。
4.尿道症候群
こちらも女性特有の病気です。
明確な原因などは分かっていないのですが、女性ホルモンのバランスが崩れることが理由の一つだと解釈されています。
症状としては残尿感や頻尿、排尿後の痛みなど膀胱炎と似たものですが、原因がはっきりしていないため、それだけの症状とも限りませんし、
予防なども具体的に言えることはありませんが、排尿時に何か異変を感じたら早めに医師に相談するようにしましょう。
5.他の病気が原因のことも
尿や膀胱に直接かかわる病気でなくても、神経や脳に関わる病気を起こしている場合でも残尿感を感じるケースがあります。
人間の体は常に脳から神経をめぐって指令がくだされているため、そのどちらかに異常があると、
尿を排出したという指令がきちんと出されなくなるのです。
その場合は原因を突き止め適切な治療をする必要があり、放っておくと重大な病病気を見逃してしまう可能性もあります。
泌尿器科を受診しても改善されない場合は、こういった原因があることをしっかり頭に入れておきましょう。
6.病気以外の原因も
病気が原因でないならば、ストレスや睡眠不足によって残尿感を感じている可能性もあります。
ストレスを感じたり、睡眠不足になると自立神経が乱れてしまうため、尿を排出する機能がきちんと機能しなくなります。
ストレスを溜めないように心掛け、規則正しい生活をすることで改善されていく場合もあります。
しかし、病気なのかそうではないのかを自己判断するのは難しく危険なので、排尿時に違和感を感じたらまずは病院を受診することをオススメします。
以上のように、女性が残尿感を感じる原因は色々と考えれます。
いずれにせよ、放っておくと症状が悪化したり後々まで響いてしまうこともあるので、早め早めに対処することが大切です。
産後や更年期前後の女性に多いイメージがありますが、最近では20代、30代の若い女性にも、残尿感に悩まされている人が増えています。
自分には関係のないことと油断せず、日頃から気にかけるようにしましょう。