陣痛促進剤をご存知でしょうか?
これは出産のときにお産を促す薬ですが、昔はこのようなものはなく、お産は神様任せ運任せといって無事にお産ができる女性もいれば、
残念ながらお産がうまくいかずにどうすることも出来ずに亡くなってしまった例もあります。
そんな時に陣痛促進剤を使う事によって、出産をある程度人工的に調整できるます。
とっても便利でお役立ちな陣痛促進剤。
どのような時に使うのか、どんな効果があるのか、誰でも使えるのかなど陣痛促進剤についてご紹介します。
1.陣痛促進剤とはなにか
子宮が収縮し子宮から赤ちゃんを外に出そうとする働きが陣痛ですが、この陣痛を促し、人工的にコントロールする薬が陣痛促進剤です。
ホルモンに似た生理活性剤が入っているので人工的に子宮を収縮させることができるのです。
陣痛促進剤を使うと子宮収縮の働きにより、分娩が誘発されたり、促進されたりします。
日本における出産では約3割の出産にこの陣痛促進剤が使われています。
2.陣痛促進剤はどういう人が使うのか~分娩誘発編~
分娩を誘発したいママやリスクを抱えたママに陣痛促進剤を使います。
出産はお腹の中の赤ちゃんのタイミングで始まるものですが、まだ赤ちゃんに外に出る準備が出来ていないと陣痛はおこりません。
出産予定日を大幅に過ぎているのにまだ陣痛が起こらない時は、だんだんママの子宮の機能も低下してきて
お腹の中の赤ちゃんに悪い影響を与えてしまう環境になったり、大きくお腹の中で育ちすぎて出産が困難になることなどを防ぐために
人工的に陣痛を促し出産へと結びつけるために分娩を誘発します。
予定日を2週間以上過ぎた場合は使われる場合がほとんどです。
また、妊娠高血圧症候群のママや体調が悪く妊娠継続が危ないリスクを抱えたママにも使われます。
妊娠高血圧症候群になると胎児の発育不全やママの胎盤剥離が起こる可能性もあるため、場合によっては早めに出産を人工的に起こす必要があります。
3.陣痛促進剤はどういう人が使うのか~陣痛促進編~
陣痛は起こっているものの微弱陣痛が続いているママや、破水したのに陣痛がこないママに使います。
微弱陣痛でお産が長引くと、お腹の中の赤ちゃんやママにも危険が及ぶ可能性があるため、陣痛を強くさせるために促進剤を使用することがあります。
また、破水したのにも関わらず赤ちゃんがなかなかお腹から出てこない場合は、赤ちゃんに子宮内感染症にかかる恐れがあり、
心拍も弱くなることが多いのでこの場合も陣痛促進剤で陣痛を促進させ出産へと結びつけます。
お産が長引くとママもおなかの赤ちゃんも体力を消耗してますます陣痛が弱くなるので、様子を観ながらお産が長い妊婦さんにも使われることがあります。
お産が30時間を超えても生まれない場合に使われることが多いです。
4.陣痛促進剤の効果、メリット
陣痛促進剤は自分の力ではうまくいかない陣痛を強めてくれるので、帝王切開でしか生むことが出来なくなったような場合にも
自然分娩で出産が出来る可能性があるという効果があります。
また、長いお産で苦しむ必要がなくなるというメリットもありますので、母子ともに体力を消耗せずに出産ができます。
5.陣痛促進剤のリスク
陣痛促進剤はやはり人工的な薬ですのでリスクもあります。
陣痛促進剤はお産がスムーズにいくために陣痛を強めていくものなので、まだ子宮口が開き切っていないのに陣痛だけ強くなってしまい、
子宮に負担をかけて子宮破裂となる危険性もあります。
これを過剰陣痛による子宮破裂といいます。
異常が出た場合は点滴で陣痛促進剤を投入している場合はすぐに点滴をはずします。
リスクがあるとはいえ、逆に陣痛促進剤を使用しなかったために難産になったり最悪のケースに至ったりすることもありますので、
お医者さんと相談の上使用の有無を決めましょう。
そして、陣痛促進剤を使う場合はきちんと監視されて細かいチェックを逐一おこなっていますから安心して下さい。
6.効果や痛みについて
陣痛促進剤を使った時の効果の度合いや痛みの感じ方は実際人それぞれで、コントロールすることは難しいです。
陣痛促進剤を使ってから出産まで4~5時間とスピード安産となる場合から、何時間もかかるケースまでいろいろあります。
陣痛は人工にしろ自然にしろ徐々に痛くなります。
促進剤を使うと一気に痛くなるかというとそういうわけではありませんが、人によっては一気に痛くなったという人から、
普通の痛みで大丈夫だったという人まで様々。
促進剤を使ってもなかなか出産できない場合は帝王切開となりますが、こちらもきちんと医師から伝えられますので安心してプロにお任せしましょう。
技術の進歩によって生まれた陣痛促進剤です。
必要な時には前向きに検討してみてください。
沢山の症例がありますから、怖いものではありません。
使うべきと医師から勧められた場合は自然分娩の方がリスクがある場合がほとんどなので使うことをオススメします。