レバーのような血の塊がナプキンについていた。
そんな経験はありませんか。
その大きさが親指より大きく生理の度に出るようであれば要注意です。
生理時に出るこの血の固まりを血餅といいます。
本来、正常な生理では、経血で血の塊が出ないとされています。
今回はこのような血の塊が出る原因と注意点をご紹介します。
1.出血量が多いとき
子宮は赤ちゃんを作る準備をするためにふかふかのベッドをつくります。
これは、細胞や毛細血管、分泌腺が形成されたものです。
そのため子宮の内膜は生理まで徐々に厚みを増し、およそ1㎝のもの厚みになります。
ご存じのように妊娠しなければそのベッドは不要になり、経血として体の外に剥がれてでてくるのが生理です。
普段目にする生理時の血液は子宮内膜の血の塊が酵素で溶かされ、ドロッとした形ででてきたものです。
しかし、子宮内膜で作られたベッドがそのまま溶かされずに出てくることがあります。
月経の経血は繊維素溶解酵素によって血と血をつなぐ繊維素フィブリンが溶かされた状態です。
しかし、出血量が多いときは剥がれる子宮内膜に対して、この酵素の働きが追い付かず、十分な働きができません。
一部が凝固したまま排出されてしまいそれが血の塊としてみられます。
2.女性ホルモンの分泌が多い
子宮内膜を肥厚させるホルモンがエストロゲン(卵胞ホルモン)です。
特に性的に成熟する20代から30代の女性はエストロゲンの分泌が活発になりやすく、子宮内膜が厚くなりすぎる場合があります。
また、その他の年代でも子宮内膜が厚過ぎて固まった血液を溶かす酵素が追い付かず溶かしきれない場合、
月経時に経血が血の塊として出てくることがあります。
20代から30代であってもこのような血の塊が頻繁に出るようであれば病気が隠れている場合があるので、念のため婦人科を受診した方がいいでしょう。
3.子宮の血流が悪くなっている
子宮内の血流が悪くなると血液が滞って経血の排出がスムーズにいかず、血の塊となって出ることになります。
血流を悪くする原因として、バランスの悪い食事、運動不足、不規則な生活、冷え症、タバコ、アルコール、ストレスがあげられます。
運動不足、不規則な生活はもちろん血行を妨げます。
甘いものや脂っこいものを過剰に摂取することは、血をドロドロにし血流を悪くします。
また、カフェインの多いコーヒー、紅茶も体を冷やして血行を悪くします。
タバコやアルコールは過剰に摂取することで、毛細血管を収縮させ血行を悪くします。
更に、ストレスは自律神経と密接に関係しており、ストレスを感じると自律神経を乱し血行が悪くなります。
更に、女性ホルモンの分泌にも影響します。
以上のような原因により血行が悪くなるわけですが、これらは、生活環境や生活習慣を変えることで改善することができます。
4.子宮筋腫の症状として
子宮筋腫は30代半ばの女性で4人に1人はあるといわれています。
特に40代の女性には多くなります。
子宮筋腫は血液を子宮に多く取り込む性質があるため、取り込んだ分経血の量も増えます。
更に、子宮筋腫が大きくなると子宮も大きくなり、それに伴い子宮内膜の表面積が増えることになります。
月経時にはその大きくなった内膜が剥がれるため普段より経血が増加することになるのです。
酵素はこの増加した血の塊を溶かしきれず、そのままレバー状となり経血として排出されてしまうのです。
子宮筋腫を疑う場合、他の自覚症状もあるので、その症状も合わせて子宮筋腫を疑います。
例えば、子宮筋腫が膀胱を圧迫することにより、トイレが近くなったり、背骨や骨盤を圧迫することにより腰痛が起きたり、生理痛が強くなったりします。
さらに、筋腫が大きくなると下腹部が出てくることがあります。
触れると硬いものが感じられることもあります。
これらの症状があればすぐに婦人科へ行きましょう。
5.子宮内膜症の症状として
子宮内膜症は20代、30代と年齢が上がるごとに増加し、40代で最も多くなります。
子宮内膜症は子宮以外の場所で子宮内膜に似た組織ができ増殖と剥離を繰り返します。
レバー状の血の塊が出るのも子宮筋腫と同様に子宮内膜症の症状です。
この症状に合わせて他の症状があれば子宮内膜症の疑いがあります。
その他の症状は場所によって異なりますが、尿意を感じた時の下腹部痛や肛門の方への痛みなど月経時以外での
月経時のような下腹部痛や腰痛、性交時痛などがあります。
また、子宮内膜症は4期に分かれますが、第1期ではほとんど自覚症状はなく第2期から出血量の増加などの自覚症状が出てきます。
この時期に治療することが望ましく、初期の段階であればホルモン療法やお薬で治療しますが、後の段階になれば開腹手術になることもあります。
疑わしい症状が出ればできるだけ早く受診しておくことをオススメします。
生理の時、いつもと違う、おかしいなと思ったら大丈夫だろうとそのまま放置しないようにしましょう。
もしかしたら、何か病気が隠れているかもしれません。
早く治療をすれば大きな治療をしなくて済む場合もあります。
婦人科に行くのは抵抗があると多くの女性は思いがちで足が運ばない方も多いでしょう。
でも、遅くなれば遅くなるほど治療も困難になるものです。
気が付いた時、おかしいなって思った時はためらわずにできるだけ早く婦人科に行って診てもらいましょう。