繋留流産は、妊娠22週までにお腹の中で亡くなってしまう状態を指します。
繋留流産の兆候や手術方法、術後の妊活についてご紹介します。
1.繋留流産の確率などについて
繋留流産は、妊娠6週、7週に起こりやすいです。
妊婦さんの5人に1人に起こると言われており、痛みや出血などの自身で気付く症状はなく、医師によって流産が確認されることがほとんどです。
健常な20代女性で10%から20%、40代だと30%以上の確率で起こるとされています。
2.繋留流産の兆候について
自覚症状はほぼありませんが、検診時に、「胎嚢が確認できる妊娠6週、7週になっても胎芽が確認できない」といった場合や、
「胎嚢は確認できたが心拍の確認ができない」という場合、「一度は確認できた心拍が確認できなくなった」といった場合などがあります。
流産していても、基礎体温は高いままなので、基礎体温が下がったから流産した、ということにはなりません。
3.繋留流産の原因について
主な原因は胎児側にあるとされています。
しかし、子宮組織の代謝が悪くて良い胎盤ができないために、赤ちゃんへ血液がうまく流れずに胎児が育ちにくい、という場合もあります。
子宮組織の代謝が悪い原因は、ストレスや冷えなどによる血行不良と言われています。
妊娠前から適度な運動をしたり身体を冷やさないようにしたりと、血行が良くなるような身体作りをすることも、繋留流産の予防に繋がります。
4.繋留流産の手術方法について
繋留流産の手術方法は、基本的には中絶手術と同じです。
ママの子宮口から、医師が手を入れて、赤ちゃんを取り出します。
具体的には、まずラミナリアやラミセルで子宮頸管を広げます。
次に、子宮内の赤ちゃんを胎盤鉗子で取り出します。
そして、キュレットで子宮内のお掃除します。
大抵の場合は、静脈麻酔をして行い、手術は2時間程度で終わります。
手術後は2時間くらいで意識が戻ります。
手術は、日帰り、または一泊入院で、手術した次の日には退院します。
術後1週間後に異常がないか確認するために受診をし、生理が術後2週間から4週間くらいで再開すれば、完治したと考えてよいです。
手術は医療行為になるので、保険適用になります。
ですから、健康保険が適用され、自己負担は3割になります。
掛かる費用は、日帰りか入院か、また症状にもよって変わりますが、だいたい支払額は2万から10万くらいです。
ご自身で保険に入っており対象となる場合は、医師に診断書を書いてもらう必要があります。
診断書を書いてもらうのにも費用がかかります。
中には自然流産といって手術をしなくても赤ちゃんが出てくる場合があり、その時は、子宮内に赤ちゃんや組織が残っていないことが確認されれば、
手術をする必要はありません。
5.術後の妊活について
繋留流産手術をした後は、子宮内をキレイにした状態なので、妊娠しやすいと言われています。
しかし、手術後すぐ妊娠すると、まだ子宮の機能が回復していないので、また流産してしまうこともあります。
大抵の場合は、生理が来たら、また妊活を始めてよいと言われています。
これは、医師によっても見解が分かれます。
一回生理が来れば大丈夫、という医師もいれば、手術後半年経ってから、という医師もいます。
術後の内診検査で、子宮の状態を診てもらったり、血液検査などをして、医師に子宮の状態を診てもらってから妊活をスタートさせます。
6.術後の仕事復帰などについて
術後は、腹痛や多めの出血が続いたり、なかにはつわり症状がしばらく続く人もいます。
このような症状は、2週間くらいで落ち着いてくると言われています。
個人差はあります。
術後に腹痛を感じるのは、子宮が収縮するためであり、子宮の回復を早めるために、子宮収縮剤を処方される場合もあります。
腹痛や出血、つわり症状などがなくなり、生理が来れば、子宮は普通の状態に戻ったと考えてよいです。
術後は、体調の回復のために外出も控え、一週間くらいは安静にした方がよいと言われています。
ですから、職場にもよりますが、状況を話して一週間休めるのであれば、一週間は安静にして、その後仕事復帰をします。
少なくてもできれば3日間は安静にするようにします。
このように、流産はその経験自体がママにとっては辛く悲しい体験になりますし、赤ちゃんを掻き出されるという行為に耐えられない方もいます。
しかし、一度繋留流産をしたからといって二度と妊娠できないわけではありません。
適切な処置を受けて、次の妊娠に繋がるよう、体調を整えていくことが大切です。
体調や子宮の回復には個人差もありますので、仕事復帰や普段の生活に戻すタイミング、そして次の妊娠に向けての活動も、
体調や状態に合わせて、医師のアドバイスも参考にしながら無理をせずに、少しずつ普段の生活に戻すようにします。
身体の体調が戻ったとしても、精神的に回復するには時間がかかる方もいます。