生理や排卵日でもないのに、茶色っぽいおりものや出血がだらだらと続くことがありませんか?
不快な不正出血ですが、もしかしたら自分では気づかない大きな病気の兆候を教えてくれているのかもしれません。
生理の前後に出血が見られることはよくありますが、基本的には生理以外で出血が見られるときには不正出血とみなされ、
それが1週間以上続く時には、主に婦人科系の病気の可能も考えられます。
では茶色っぽい色の不正出血はどうしておこるのでしょうか?いくつか考えられる原因についてご紹介します。
1.そもそもなぜ茶色いの?
不正出血には真っ赤な鮮血の場合もあれば、茶褐色の場合もあります。
茶色い場合は、血液が空気に触れたり体内でも長時間蓄積された場合などで、酸化による化学反応を起こしたためです。
どちらがよくてどちらが悪いか、とは一概に言えません。
色や量よりも不正出血そのものがあまりよいことではないので、原因次第では病院へいくことが大事です。
2.排卵出血
排卵時におこるホルモンバランスの変化により、不正出血を起こす場合があります。
排卵は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌によって起こりますが、その際にホルモンバランスが崩れて子宮内膜の組織の一部が剥がれ落ちて、
不正出血として確認されるのです。
たいていの場合は微量で、多少血が混じっていたりピンク色のおりものであることが多く、排卵日前後に起こる出血なので、
生理の後の10日から2週間後くらいに起こります。
不正出血とは気付かずにそのまま放置してしまいがちですが、茶色っぽいおりものの時には排卵障害などの病気も考えられます。
下腹部の痛みがいつまでも続くようならば、病院に行って診察をしましょう。
3.着床出血と妊娠初期の出血
受精卵が子宮内膜に着床するときに、絨毛が子宮内膜の組織を傷つけることが原因で起こるのが着床出血です。
これと似たようなメカニズムが妊娠初期の出血で、受精卵の子宮内膜を傷つけたことによって発生します。
出血が少量でピンク色や茶色いものなら心配はいりませんが、例え微量でも茶色の出血が続くようなら流産の可能性もあるので、
念のために、病院で診察してもらいましょう。
4.切迫流産による出血
切迫流産は母体に強い負担がかかったときに、起こるものでその際に出血がみられるケースが多くあります。
家庭の主婦はつい無理をしがちですが、切迫流産と診断された場合の出血は危険です。
最悪の場合は本当に流産してしまうので、赤ちゃんの命を守るためにも絶対安静にしていてください。
5.病気による出血
茶色っぽい色の不正出血が出てきても、少量ならそれほど心配のない場合も多いのですが、それが大量だったり、
長く続く場合は主に婦人科系の病気が原因ということも考えられます。
可能性としては子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣がんなどが挙げられます。
また子宮内膜ポリープによる出血は、着床の障害となり、不妊の原因となることもあります。
身体がだるかったり、下腹部の強い痛みが続く、熱が出ていてる、などの自覚症状がある場合は一度病院で検査をしてもらいましょう。
6.更年期が原因の出血
更年期になると女性ホルモンの減少により、生理のサイクルが不順になるなどホルモンバランスが崩れることが原因で、不正出血が起こりやすくなります。
茶色い不正出血で、においのあるものが何日も続く場合は要注意です。
子宮体がんや子宮がんの可能性も高くなるので、がん検診などを受診して下さい。
また子宮がんは40代から50代の更年期の女性だけではなく、20代や30代の女性も罹患する可能性はあります。
「自分はまだ若いから大丈夫」と安心せずに、茶色っぽい色の不正出血が1週間以上続いたら十分に注意しましょう。
7.不正出血を怖がらないで
いろいろと不正出血の原因を挙げていきましたが、どのケースにも共通しているのは、ホルモンバランスの乱れが直接の原因となっている点です。
日常生活では疲労が溜まっていたり、十分な睡眠がとれていないことや、不規則な食事による栄養バランスの乱れ、
大きなストレスなどがホルモンバランスを崩して、不正出血を引き起こす原因となります。
不快な不正出血ですが、生活の乱れや身体の不調、さらには大きな病気を教えてくれるありがたい存在でもあります。
不正出血が出ないようにするには、元の原因であるホルモンバランスの乱れを改善するために規則正しい生活や十分な睡眠、
適度な運動を心がけることも大切ですが、むやみに茶色い不正出血を怖がるのではなく、
何が原因かを自分の体調と照らし合わせて原因を突き止めてしっかり対策をとりましょう。
ともすれば家事や育児、仕事などを優先してしまい、自分のことを後回しにしてしまいがちな主婦ですが、
家庭を維持するには主婦が元気でいることが何よりも大切です。
家族のためにも、不正出血が教えてくれる不調のサインを見逃さずになるべく早く病院で診てもらってください。