温泉に行くとよく見かける「温泉利用の注意書き」や「温泉成分表」を
じっくりと見た事のある方はどの位いるでしょうか。
これらには、温泉入浴の基本的なマナーの他、温泉の効能、
そして入浴しない方が良い症状の方などの事が詳しく書かれています。
その入浴しない方が良い症状の中によく書かれているのが「妊娠した女性」です。
では実際本当に妊婦さんは温泉を楽しむ事はできないのでしょうか。
1.妊婦さんは本当に温泉に入れないの?
実は温泉が妊娠中の女性の悪いという医学的根拠はどこにもありません。
ではなぜ入浴の制限がされているのでしょうか?
実はこれは何かが起こった時に対処ができないのと、責任がとれない事が大きく関係しています。
ただでさえ浴場は滑りやすい所です。
バランスを崩したり、のぼせてしまったりして転倒してしまうと胎児に何か影響があるかもしれません。
そういうリスクが大きいので入浴の制限をしている温泉施設が多いのです。
また温泉の成分が赤ちゃんに悪影響をもたらすという事も医学的にはないと言われています。
2.ではどの位なら入浴して良いの?
入浴制限のかかっている温泉施設ではない場合は、自己責任で入浴する事は可能ですが、足元には十分に気を付けましょう。
できれば親族などに連れ添ってもらうなどの工夫をした方が良いでしょう。
お湯の温度は熱めの水温のお風呂や水風呂などの冷たいお風呂はさけて、ぬるめのお湯につかると良いでしょう。
ただし妊娠中はただでさえのぼせやすいので、少し短めに入る事をオススメします。
3.温泉で自律神経を安定させよう
ぬるめの温度の温泉は自律神経を安定させ、リラックスする副交感神経が活発になります。
妊娠中は情緒不安定になる事も多く、妊娠中のストレスはお腹の赤ちゃんにとっても居心地の良いものではありません。
温泉につかってリラックスする事でお腹の中の赤ちゃんも喜ぶ事でしょう。
4.転倒のリスクを避けるのであれば足湯も効果的
温泉が妊婦さんに悪影響をもたらさないとわかっていても、やっぱり転倒が怖くて入れないという方には「足湯」がオススメです。
最近の温泉施設は外に足湯を設置している所も多いのでオススメです。
足湯であれば転倒の可能性はほとんどなくなりますし、足だけつかるだけでも末端からポカポカと身体が温まってきます。
リラックスなどの目的であれば足湯だけでも十分に効果があるのです。
5.人の目が気になる場合は貸し切り温泉へ
入浴制限がかかっていなくても、大きいお腹で温泉に入り他の人から見られるのはちょっと抵抗があるという方は、
貸し切り風呂に入浴という方法もあります。
お金はかかりますがこれならば誰の目もきにせず家族でリラックスしながら温泉を楽しむ事ができます。
また大勢の人が入っているわけではないので衛生面から見ても、安心して入浴する事が可能です。
6.温泉の成分表は必ずチェック。
これは一体どういう事かというと、妊娠中は肌の質が変わってしまう方が大勢います。
今までだったらなんともなかった事でも荒れたりして敏感になってしまうといった事は多いのです。
そのため、入浴する事で肌に痛みやかゆみを伴う場合がある泉質もあります。
特にチェックしたいのが「硫黄成分の強い泉質」「塩分の強い泉質」「ラジウム温泉」などです。
これらは入浴すると全員ではありませんが、痒みがでてくる可能性がありますので、
敏感肌の自覚症状がある方は避けた方が良いでしょう。
7.妊娠初期と後期の場合は回数を減らしましょう
妊娠初期は約十数パーセントの確率で流産する可能性があると言われています。
この時期は身体も非常に不安定な時期でもあります。
入浴するのであれば回数は減らして、安定期に入ってから本格的に楽しむ方が母子共に負担が少なくてすみます。
また妊娠後期はお腹がでてきて地面が見えずらくなってきます。
また身体もアンバランスになってきますので、前項でもあげましたが、
回数を減らすか必ず付き添いの人と一緒に入浴するようにしましょう。
8.しっかりとした水分補給をしながら入浴しよう
妊娠中は羊水を作ったり、赤ちゃんの分の水分補給も必要になったり、通常よりもたくさんの水分が必要になります。
そして入浴中はただでさえ身体の水分が外へ出てしまいがちになりますので、その分も見越して多めの水分補給が必要になります。
入用後に脱水症状をおこし体調不良にならないためにも必ずこまめに水分補給を行う事が重要になってきます。
いかがでしたでしょうか。
妊娠中だから温泉は無理なんて事はありません。
身体が疲れていたり、精神的にも疲れている時は温泉に入った方が母子ともに良い効果をもたらす事でしょう。
ただし、リスクがあるのも事実です。
きちんと自己管理をし楽しく、気持ちよく温泉に入れるように、
上記の事を意識しながら妊娠中の温泉ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?