妊娠や出産をすると様々な体の変化が起きます。
その一つが痔です。
女性にとって一番の大仕事を終えた後に、痔で悩まされるのは辛いことですね。
痛みが出てきたり出血してしまったりすると、気分まで落ち込んでしまいます。
今回は産後の女性を悩ませる痔の原因や改善方法についてご紹介します。
1.産後の痔の症状
痔は主に切れ痔といぼ痔に分けられます。
便秘によって固くなってしまった便によって肛門が裂けてしまう切れ痔は、排便時に痛みを伴い出血をしてしまうこともあります。
いぼ痔は肛門周辺の血流が悪くなることでうっ血し、いぼ状の腫れができてしまった状態です。
いぼ痔は悪化してしまうと、いぼが常に肛門の外に出てきて戻らなくなってしまい、座るときなどに激しい痛みが出てしまうこともあります。
いぼが肛門の内側にある痔を「内痔核」、外に出てしまった痔を「外痔核」と言います。
肛門から異物が出ている状態になると常に違和感があり、とても不快です。
2.産前・産後の痔の原因
妊娠や出産をすると、ホルモンバランスが崩れてしまいやすくなります。
妊娠中に分泌される様々なホルモンの中には腸の動きを弱めてしまう働きがあり、それが原因で便秘になることがあります。
便秘をそのままにしておくと悪循環になり、慢性的な痔になってしまいます。
お腹が大きくなるにつれて直腸や肛門付近の静脈が圧迫されることにより、痔になりやすくなります。
人によっては気付かないうちにいぼ痔になってしまうこともあります。
出産時に強くいきむことで肛門に負担がかかり、いぼ痔が戻らなくなるケースも多いようです。
授乳による水分不足も便秘を引き起こしやすく、それが原因で痔になってしまうこともあり産後の女性の悩みの一つになっています。
また、産後は運動不足になりがちで、便秘になりやすいという特徴があります。
このように、産後の女性は痔になりやすい要素がたくさんあるのです。
3.痔の治療法
やはり一番は、原因となっている便秘や水分不足を改善させることです。
産後は育児に追われ、自分のことは後回しになってしまいがちですが、食生活の見直しや水分を意識して摂るように心がけることが大切です。
ヨーグルトなどの乳酸菌や食物繊維を多く摂るようにしたり、ウォーキングなどの適度な運動をしたりするのも良いでしょう。
痔が悪化してしまった場合、つい市販の薬を使いたくなりますが、市販薬には強いステロイドが含まれるものもあるので注意が必要です。
自己判断はせず、薬剤師さんに相談するか、きちんと病院を受診したほうが良いでしょう。
女性に多い冷え性も痔にとっては良くないので、改善することをオススメします。
朝は決まった時間に朝食を食べることで腸を動かし、その後トイレに入る習慣をつけることも効果的です。
少しずつでも良いので、生活リズムを整えていきましょう。
まとめ
痔は冷えや便秘が原因として多く、産後は食生活の乱れも便秘を引き起こします。
ただでさえ産後は精神的にも不安定になりやすいので、痔が悪化してストレスになってしまう前に医療機関に相談することをオススメします。
そうすると授乳中でも使用可能な薬を処方してくれるので、安心して治療を受けることができます。
出血をしたり、痛みが出たりしてしまうと育児も思うようにできず、苦しいですよね。
進行してしまった痔は常に肛門に違和感があるので、集中力ややる気もなくなり暗い気持ちになってしまいます。
デリケートな場所のトラブルなので、痔はなかなか言い出すことができず一人で抱え込んでしまう人もいると思いますが、多くの人が同じ思いをしています。
自分だけではないので、一人で悩まず早めに治療を受けましょう。